演技が下手でも諦めない!原因と克服するための練習法【めざせ名優!】|映画オーディション
芸能人になりたいのなら、一定以上の演技力はやはり必要です。
俳優を目指す方はもちろん、タレント志望の方も、興味のない話でも楽しそうに聞くなど「その場所で求められる役割」を的確に演じる必要があるからです。
「楽しそうに聞いているけど本心ではつまらないと思っているんだろうな」と本音がバレバレでは困ります。「またこの人にお願いしたい」。そう思ってもらえるようなタレントになるためには、ずばり演技力がポイントです。
・・・とはいえ、演技が苦手な方もいるでしょう。「今、嘘ついているでしょ?わかるよ」なんて知人にあっさり見破られたことがあるなら、まあまあ危険です。演技下手な可能性が高いと言えるでしょう。
でも、ご安心ください。たとえ演技が下手でも、練習法はあります。演技下手を克服すれば、ある種の「味」を手に入れられるかもしれませんし、芸能の仕事で役立つだけでなく、日常のコミュニケーションにおいてもきっと重宝しますよ。
演技が下手な原因とは?
自分では完璧に演技したつもりでも、「本当は〇〇と思っているんでしょ」なんてズバリ本心を突かれたことはありませんか。
演技が下手な人の特徴は、大きく分けて3つあります。
棒読み
棒読みのセリフは、演技者にとっては致命的です。抑揚も何もなく、書いてあることをただただ読んでいるだけの状態です。棒読みで「君が好きだー」と言われても、言われた方は笑うしかありませんよね。笑いを取りに行った結果がそれならOKですが、芝居は成り立ちません。
棒読みのイメージがつかみにくいなら、授業で指名されて教科書を読み上げる学生をイメージしてください。そもそも内容が呑み込めておらず、気恥ずかしさもあって、えてしてそうなりがちです。
いくらあなたが役作りをしていても、単調な棒読みでは芝居が台無しになってしまいます。台本を一生懸命暗記するのは良いですが、「間違わずに言わなければ」と意識しすぎて、いつの間にか棒読みになってしまいがちです。
一つひとつのセリフをどう伝えるか、そこがポイントになります。
以下で詳しく説明します。
間が十分でない
「間」は、キャラクターの感情を表します。
あえて間を空ける、つまり無言の時間を入れることで、キャラクターの複雑な感情が表現できます。しかし逆に言うと、間の取り方が適切でないと、いくらセリフを上手に言えても、全部帳消しになりかねないので要注意です。逆に言うと間をうまく使うことで笑いを取ることはできますね。
たとえば、あなたが「金を無心する男の彼女」役だとします。無職の彼は、以前から万単位のお金を何度も要求。彼と別れるのが怖いあなたは、そのたびに貯金を切り崩し、言われた通りの額を渡してきました。そして今回も「パチンコで金無くなっちゃった。〇万円ちょうだい」と・・・。
このとき台本に書かれたセリフが「いいよ」だったとしても、男が言い終わった後すぐに「いいよ」と言うのと、5秒後にようやく「いいよ」と声を絞り出すのとでは、視聴者(または観客など)に与える印象がまったく違います。
すぐに「いいよ」と言った場合、『本当に構わないよ、別にお金には困ってないし』という余裕が伺えます。いわば、キャラクターが本心から承諾している状態です。
しかしあえて間を空けて「・・・・・・・・・・・・・・・いいよ」と伝えれば、『本心では嫌だけど承諾せざるを得ない』という複雑な本音が見えます。
さらに同じシーンを深読みすると、間髪入れないかぶせ気味の「いいよ」の返事であれば、彼が同じことをくり返すと知っていた彼女の、もうそのことで迷わないという強い覚悟や決心を表すこともできます。そのときの「いいよ」は、きっぱりとしていながら、どこか悲しげでもあるはずです。
間というのは、いわば「声のないセリフ」です。適切に間を取ることができれば、具体的な言葉で伝えなくても、キャラクターの思いが手に取るように相手に伝わるものなのです。
目の演技ができていない
「目は口ほどに物を言う」ということわざがあります。
演技というとセリフがすべてと思われがちですが、目の演技もセリフと同じくらいに重要です。
心の中を映し出すのが、目。「このセリフを上手に言おう」「次の立ち位置はどこだっけ?」など雑念が混ざると、どうしても目に表れてしまうのでご注意ください。
監督から「演技に集中しろ!」と叱られる俳優は少なくありませんが、これはあれこれ考えすぎて目がウロウロしていることが原因と考えられます。
目に迷いが反映されてはいけません。本番までに入念な練習を重ねたり、イメージトレーニングを行ったりして万全な状態で臨みましょう。
演技が下手な方のための上達法
演技はとても奥が深いものです。
あなたという存在を資本にしながら、まったく別の人格でまったく別の人生を演じなければならないのですから。
俳優を養成するためのスクールなどに通えば専門的な知識や技術が身につきますが、スクールに行ける方ばかりではないでしょう。
では、演技に苦手意識を持っている方に、今すぐできる上達法をお伝えします。今日からもう、演技下手とはサヨナラです。
コントを見る
このタイトルを見て、「お笑い芸人を目指しているわけではないんだけど・・・」と疑問を感じた方もいるでしょう。
コントは、いわば「極端な演技」。それぞれシーンやキャラクターを決めてなりきって演じるので、とても参考になるはずです。
たとえば、女性ピン芸人の友近さん。友近さんは「あるあるネタ」を得意としていて、大阪のおばちゃんや、タクシードライバー、女子大生など幅広い役柄を一人で演じています。
そのどれもが特徴をガッチリつかんでいて、テレビ越しに「わかるわかる!」と思わず拍手を送った方も少なくないのではないでしょうか。
コントは、「なるほどこの役柄をこう演じるのか」なんて、他人の「極端な演技」を楽しみながら観られる絶好の資料なのです。
ものまねをする
上記友近さんの例で続けると、彼女の一人芝居はまさに変幻自在。
どの役柄にもスッと入っていけるのは、普段からの人間観察のたまものでしょう。
日ごろからよく観察をして、特徴をディフォルメして表現することを練習してみてはいかがでしょうか?
たとえば、職場や学校の人を日替わりで真似してみるのも一つの方法です。「今日は〇〇さんの真似をしよう」など特定の人を決めて、入浴中や就寝前などにものまねをしましょう。
「〇〇さんといえば何が特徴的かな?」と、その人の言葉や行動を思い返してみてください。「軸」となる部分を思いついたら、その部分を強調するように真似するのです。
仲が良くて信頼できる同僚などに、こっそり披露してフィードバックをもらうとさらに上達につながるでしょう。
ドラマや映画を観る
万人を納得させる演技のためには、「自分」の幅を広くすることが大事です。
どのような背景を抱えたキャラクターでも、演じるのはあなた。資本が自分自身なので、まったく想像もできない役柄だと思うように没入できない恐れがあります。
たとえば、何不自由なくまじめな生活を送ってきた人が、「生まれたときから貧乏で家庭環境もぐちゃぐちゃ、非行と更生を繰り返しながら20歳を迎えた人物」の役柄を演じろと言われても無理があるでしょう。セリフを懸命に読み上げても、どこかチグハグな印象は拭えないはず。
そこでおすすめするのが、ドラマや映画の鑑賞です。
人の数だけ人生があります。それは良い人生ではなくて、悪い人生も。
俳優という職業は、どのような人生も自分のものにしなければなりません。
ドラマや映画を通じて、普段から多くの人の人生に触れるようにしましょう。
「自分は友人が多いし、いろいろな人の人生を知っているはず」と思う方もいるかもしれませんが、奥の奥の奥の本音まで知っていると断言できますか? 楽しい間柄ほど、本音はなかなか出せないのではないでしょうか。
誰だって、心の闇を大なり小なり抱えているものです。その闇は、自分から語らない限りフォーカスされることはありません。
それを真正面から切り取っているのが、ドラマや映画です。
ぜひ画面を通じて、ありのままの「人間」を感じ取ってください。
そこから得たものは、すべて演者としてのあなたの財産になるでしょう。
まとめ
演技が下手と苦手意識を持っているなら、今すぐに克服するための練習をしましょう。
最初から誰もが納得する演技ができる人なんて、まずいません。
日ごろから研究と練習を重ね、芸能界トップの演技派俳優を目指してください。